少女には向かない職業 / 桜庭 一樹

「中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人を殺しました」
この衝撃的な独白で幕を開ける物語は、この葵という少女と、
クラスメートの宮乃下静香という少女の二人の物語。

「寄り道?いい気なもんね、中学生は。子供って気楽よね。ママはこんなに働いてたいへんなのに」
「あんたのために働いているのよ」
「葵、ママだって人間なのよ。まだ若いし、やりたいこともある。葵がいなかったらこんな島に残らずにまた東京に戻ってたと思うのよ。こどものせいで、どれだけ自分自身の人生を犠牲にしているか。葵はまだ若いからわからないでしょうけど。・・・」
「わたしはどうしてこんなに不幸なの?いちいちうまくいかない。こんなはずじゃなかった。娘は自分ひとりで大きくなったような顔しているし、がんばってもねぎらってくれない。具合が悪くても優しい言葉1つかけてくれない」

「子供だってたいへんなんだよ!大人ばっかりしんどうみたいに言うな!ばか!」


よくこんなひどい言葉を、子供に言えるよなあと、怒りを覚える母親の言葉。
中学生でこんなに問題を抱えて生きている少女たち。
衝撃的な、ただの殺人事件で終わらず、
子供の抱えてる気持ち、問題を描くのがうまい人だなあと思う。

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