silent_rain silent rain (September 21, 2005)

やあレイン。静かだったから、気づかなかったよ
カチャリという音とともに、レインが後ろ手で閉めたドアの向こうの
雨の音はまた聞こえなくなった。

外は冷えるだろ?暖かいココアでもどうだい?
それに眠気覚ましにもいいかもしれない。

いや、それより乾いたチョコレートは無いかな
いつものようにレインがつぶやいた。

タイムズスクエアで買ったやつがあるよ
そういって僕はいつものようにレインにチョコレートを渡した。

レインは1ブロックだけ丁寧に折って、パキっという小さな音を
満足げに聞きながら、その1ブロックだけチョコレートを食べた。
この部屋でチョコレートを食べる人は誰もいないから、
チョコレートの減った量はそのままレインの来た回数を示していた。

今日はマンハッタンの塵を、ハドソン川に流しているんだ
レインはいつもと全く同じことを僕に話した。

たいへんだろうね、実際。
僕は読んでいた本に戻る。

夜中の3時ごろ、いつのまにか静かな雨が降っている日に
現れて、いつのまにかいなくなっている。

僕は次の日の朝、レインが綺麗にした空を見て、
そういえば夜、雨が降ったのかなと思う。
ひとかけら減ったチョコレートが、机に残っていて、
それが夢でなかったことを思い出すのだ。



September 21, 2005 3:57 PM | E
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Category: story


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Comments

inoさん小説も書くんですか?ん..それとも..実話?(笑)
さりげなく流れるような文がとても素敵です。
kojima

Posted by: kojima at September 25, 2005 8:48 AM

夜中に雨が降っていたのは実話ですありがとござい

Posted by: ino at September 25, 2005 1:49 PM
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