unibody Unibody (2010年6月16日) twitterでこの記事をつぶやく

macmini_001_2010.jpg

今日発表されたMac miniは驚愕だった。
何が驚愕かというとその外装だ。

Mac Book Proで2年ほど前から
Appleはアルミの削り出しの製品を出している。
大量に物を生産する企業にとって、
削り出しで物を作るというのは非常に現実的でない。

そして「何らかのからくりがある」と考えるのが普通だ。

他の物で例えるのが難しいので直接説明すると、
削り出しというのは単純に物を削って作る。
一方、一般的な大量生産物は「型」に入れてぱかっと開いて作るか、
あるいは打ち抜いたり曲げたりして作る。

形状によっては、
型で作った物と、削り出しで作った物ではほぼ全く同じ物が作れる。

例えばA4くらいの大きさのアルミ板、厚み3mmがあったとしよう。
型で ばこん と穴を打ち抜いた物
削り出しで チュイィィィイン と穴を開けた物
ほとんど同じものが作れると思って良い。

違いは何なのか。
型で打ち抜くのが0.1秒くらいに対して
削り出しは1秒かかる。

つまり、話を簡単にすると加工にかかる時間が10倍かかる。
同じ数の物を作ろうとしたら、10倍機械と人を投入するか、
10倍時間を掛けるかということになり
つまるところ10倍お金がかかる。(話を簡素化した)

これが「現実的でない」理由で、少なくとも
「これだけの数を」「これくらいの期間で」売りたいと
決めた場合は10倍時間を掛けられないので
加工機械の初期投資が半端ではない。
その分を製品に上乗せしないと少なくともハードウェアでは
利益が出ない じゃあそこまで上乗せして意味あるの
無い みたいになるのが普通。

じゃあ何故Appleは削り出しなのか。
・「型」では作れない形状が作れる。
 特に、つなぎ目無い部品を作るなら
 削り出す以外の製法は非常に限られ形に制約が多い
 (逆に削り出しでは作れない形状もある)
・工作機械の使用方法、コストの掛け方にもよるが、
 より精密な寸法精度を追い求められる
がたぶん理由だ

それで、このMac miniの新型。
CDケースくらいのサイズで厚み36mm、
おそらく背面の開口部分から、
ほとんど全て削っているとしか考えられない。

つまり■ を コ みたいな状態まで削っている。
うわあこれほとんど加工だよ、と。深いよ削り量が。

macmini_002_2010.jpg
この画像の面から、奧の方向に正面を残して全て削っている感じ。

しかし、おそらくここにからくりはない。
ただただ単純に削り出していると確信する。
もちろん加工時の熱による変形など量産にあたっての複数の傷害が
立ちはだかっていただろう事は容易に想像できるが、
魔法のような技術はそこには存在しないだろう。

Mac book Proだけでなく複数のラインナップで削り出しを利用することで
多額になっていると思われる切削機械の初期投資額が薄まる。

複数ラインナップでの削りだし筐体(ユニボディ)が
数年前から計画され工作機械への投資が行われたのか
あるいは余っている工作機械を使うためにプロダクトデザインが行われたのか、
はたまた神の一声で導入されたのか定かでないが、

いずれにせよここまでの力業を導入した、という事そのものがすごいし、
さらにこの深さまで削り出すという事は(既にMac Book Proでものすごい削りを
行っていると言うことを知っていたとしても)
プロダクトデザインを行っている人、外装設計を行っている人には
再度驚愕しうる内容であり、かつちょっとかなわないイメージすらある。

次の記事でコストについて

TAKEWARI アマゾン世界横断検索サイト Mac miniを輸入した場合の価格差は?



2010年6月16日 00:40 | E |
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Tag: Mac mini
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Comments

本当に削りなのでしょうか?
真空ダイカストのように思えるのですが?
http://www.kobac-j.co.jp/die_casting/special.html#shinku

Posted by: BCG at 2010年6月19日 18:59

そうですね、、
全て推測で文章書いているので断言は出来ないですが。
一応ダイカスト(鋳造)ではないと思われる理由を書いてみます。

真空ダイカストという技術は知りませんでした。

アンダーカット形状が作れない、と参照先に
書いてありますね。これはアンダーカット形状が出来ない
というよりはスライド構造が出来ない。と思われます。
金型の密閉性の問題ですね。

筐体の形状をどこまで作るかにもよりますが、
アンダーカット形状が作れない=スライド構造が
出来ない=抜き勾配が付くため、
左の画像の手前に向かってこの深さだと2~4mmとなり、
形状が作れません。ものすごく肉厚にして後加工という
手もありますが考えにくいです。
(通じるかなこれ・・絵をかかないとですね、、)

鋳巣は無視できる程度として、
スライド構造が可能な通常の鋳造で
作ったらどうなるか考えてみたのですが、
かなりの後加工(切削や磨き等)が発生するのは確かです。

また、mac mini本体の生産台数によりますが
金型の寿命がそれほど長くないと思われます。
数万台。
鋳造の型のコストはもともと高いですし、
金型台数もある程度必要、
結果部品代もそこまで安くならない。

この記事を書いてから再度考えてみると、
コの字全てを深く切削しているのではなく、
底面の大穴を最初に加工しているように思えました。
そのほうが効率よいので。
(文章がタンブラーで拡散したので修正していませんが)

ということで鋳造の後加工を考えると最初から切削、
という選択はありだと思いますし、
鋳造で作ったとしてもコストダウンにならない
気がします。

Posted by: ino at 2010年6月20日 19:41
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