マイケル ギルモア / 心臓を貫かれて マイケル ギルモア / 心臓を貫かれて (2006年12月10日)

村上春樹翻訳のノンフィクション。
これを読んだ感想は、こういった世界が存在するのかという驚きと
殺人が起こっても全く驚けないという諦めと、
自分がいかに恵まれているか、という3つの事実だ。

兄が殺人者となったマイケル・ギルモアがその家庭を細かく描写し、
なぜこのような事が起こったのかを解明しようとする。しかし彼自身が
触れているようにここがポイントだ、分岐点だ、と言える部分があまりに
多すぎて呪われていたとしか言えないような内容になっている。

しかし一番の原因は、父親だろう。僕はそう思う。
強制的に何者かの介入が彼らマイケルの兄弟に必要だったことは間違いない。

殺人者となったマイケルの兄は当時、アメリカでの死刑の復活のきっかけに
なったことから非常に話題になり、ジャーナリストが版権を買い取り
インタビューを重ねて出版、これもベストセラーとなりピューリッツァー賞を受賞している。
死刑執行人の歌

マイケルギルモア本人はローリングストーン誌でライターをしており、
本人の文章力もある。
そしてマイケルのもう一人の兄であるフランクが類い希な記憶力を
持っていて、悲劇の家庭がかなり細部まで淀みなく再現される。

村上春樹は後書きでこの小説を読んで何かが変わった
という事を書いているが、海辺のカフカなんかはだいぶこの
物語から来ているのでは無いかと思った。
村上春樹の小説で暴力的な何か、が出てくるのはたぶんこの小説後。


 

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2006年12月10日 16:16 | E | TB
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イノウエのレスポンスに非常に時間がかかります。
ご了承願います。





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