毎度ながらの伏線と主人公に語らせるこの国の批判は
読んでいて心地が良い。
特に危機感のなさ、現実感のなさに関して鈴木の妻が
語る部分は大いに共感する。
読んでいるうちに殺人を犯す側の人間にも荷担したく
なってしまうところが恐ろしい。
脳裏によぎるのは
世田谷の弁護士一家の殺害とか、
つい先日の農相の自殺とか。
2人の殺し屋と1人の復讐者が主人公なのだが
この1行上に書いた文字から想像されるおどろおどろしさとか
薄暗いハードボイルドな世界はどこにもない。
それは東京で繰り広げられるどこにでもいる人たちの物語のように思える。
表題はたしかバッタという意味だ。草を跳ねるもの。