6ステイン
最初は福井晴敏の作品なのに、
主人公が営業のサラリーマンで
何か路線変更でもしたのかと思った。
がそんな邪推はページをめくると直ぐに
状況が一変し、やっぱり福井晴敏の作品か、と思う。
日本のジェイソンボーン達がいくらでもこの作品には出てくる。
これだけ精密にスパイ物を書ける人は
日本で言うと高村薫くらいのものなのではないだろうか。
そのまま映像になり、映画になるのも頷ける。
短編集なのだが後半の話は繋がっており、
また如月行などの別の福井晴敏の本に出てきた
主人公が登場する。
これと言って何か動かされる物はない。
12歳の女の子の主人公が送る日常を
うまく書いてあるような気はする。
作者自身表紙の絵を描いている絵から物語が
生まれたと書いていたが、表紙が良い。
それから帯もいい。
「なあ、この音楽は誰かにちゃんと届いてんのかよ?」
といういかにも伊坂幸太郎の物語に出てくるような
台詞が書かれているだけなのだが、
物語をそれだけで想像させる。
時空を簡単に超えて音楽が作用する。
それぞれは知らないのに関わり合う人たち。
ゴールデンスランバーと違って登場人物同士の
気持ちの理解し合いのようなものは無い。
あくまで読み手となる自分たちがその繋がりを知っていて
心の底でにやりとしてしまうような内容。
おすすめ。
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