音もなく少女は/ボストン・テラン/文春文庫(2010.8.10発行)

主人公はアパートの管理人の暴君の父と小さな工場で働く母クラリッサのもとに1951年に生まれた耳の聴こえない娘イヴ

途中で涙が止まらなくなる場面があります。

ボストン・テランの作品は、気軽に読むミステリではありません.

しかし読んだ後に元気が沸いてきます。

自分よりも弱い者・弱い立場にある者に対する暴力や愚行は、社会全体でなんとしてもとめなければなりません。

虐待事件が相次ぐ日本の児童相談所の職員に、この心が欠けていることが気になって仕方ありません。

解説は「男の力を借りずに私たちは生きていく、と宣言する女性たちの物語」と本書を紹介し、「いい小説だ。胸に残る小説だ。」とその一文を閉じています。

2010年8月10日文春文庫より発行 原題は(?)「WOMEN」

音もなく少女は (文春文庫)
¥ 920 / 文藝春秋 (2010-08-04)
在庫あり。

三種類の女がでてくる。 ナチスの迫害を生き抜いたものの、女としては致命的な傷を心身に負った孤高の女・フラン。暴君のような夫に虐げられる生活の中でも良心に根ざす信仰を失わず、障害を持って生まれた娘に無償の愛情を注ぐクラリッサ。 そんな二人に慈しまれ、銃の代わりにカメラを武器にしなやかに成長していくイヴ。 女と女の友情の話である。 イヴと名付けられた希望の種を巡る、女たちの静かで激しい戦いの記録でもある。 中でも魅力的だったのはクラリッサ。横暴な夫の虐待を耐え忍び、幾多の悲劇を乗り越え強く在ろうとした姿が感動をよぶ。 立場と性格は違えど同じ逆境を体験した者同士、相通じるものがあるフランと共に屋上で鳩を抱く場面の無垢なる美しさは言葉にできない。 文章は類稀な詩情に溢れ繊細で美しく、灰色の現実の中でも決して色褪せない真実の宝石を写真の如く切り取っていく。 撃鉄を落とすようにシャッターを押し、自分を弾圧する人生への対し方を学んでいくイヴ。 冒頭、イヴと恋人が手話で交歓するシーンに溢れた素朴な信頼と愛情は、物語を追ってイヴという少女の過酷な前半生を知ればこそ、それがどれだけ得難き価値のあるものか得心がいく。そしてイヴが撮った写真、肌の色が異なる家族が食卓で手を繋ぎ輪になる情景にこそ聖俗併せ呑む愛の核心が集約されるのだ。 本作には素晴らしいもの、尊きものが散りばめられているが、それらを脅かす唾棄すべき悪の存在もまた容赦なく描かれる。しかしだからこそ、弱き女たちが自分よりさらに弱きもののために戦いに挑む姿は、精神の気高さから生まれた崇高な美しさを保ち得るのだ。 「自由の女神が聾唖でもいいじゃないの」 これは母と子と希望の物語だ。
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ある方の読後感想に「運命に立ち向かう女たちの力強さと優しさを描き出した素晴らしい作品」とありましたが、まったく同感です。

第1長編 『神は銃弾』2001年9月10日文春文庫より発行

神は銃弾 (文春文庫)
神は銃弾 (文春文庫)
ボストン テラン
¥ 870 / 文藝春秋 (2001-09)
在庫あり。

ヒロインのケイスはともかく、まずヒーローのボブのキャラクターが読み進んでも一向に輪郭が立ってこない。悪役のサイラスもカルト教団の教祖と言うカリスマ性はなくて、組織をマネージしてるリーダーシップもなく、どうみてもチンピラを3,4人引き連れてるケチな麻薬密売ギャングです。ついでに言うと重要な役回りのはずの誘拐されるボブの娘のギャビは、どういう精神状態なのか、悲しみ、痛み、父や母への思いなど全く触れられず、空気のようです。だから救出に必死になる主人公二人のリアリティが伝わってこないのかな。 ストーリーは、必然性の無い、あるいは偶然性に依存した、追いかけっこをずっとするんですが、そもそも何でケイスがこんなにサイラスに復讐したがるのかの動機もよく伝わらない。 で、やたらに下半身の名称が出てくるセリフ、単調な暴力シーンが延々と続き途中から辟易してしまいました。(ちなみに暴力シーンが駄目なわけではなくてトマス・ハリスは好き)かと思うと突然妙に会話が道徳的になったり宗教的になったりして、つまり料理で言えばカドが立った激辛スープにいろんな素材がバラバラに入ってる感じと言ったらいいか。 原書の帯の錚々たる作家の推薦文によると「ストーリーは驚きに満ちているし、キャラクターは脳裏にやきつくし、文体はコワク(変換できず)的で、会話のひとつひとつは重くて鮮やか」だそうですが、「すべてが全く正反対だ」、というのが正直な感想で、つまり、年寄りの私には全く合いませんでした。
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☆2000年英国推理作家協会最優秀処女長篇賞受賞作品
☆このミステリーがすごい!2001年度版(2002年)宝島社第1位
☆2001年週間文春ミステリーベストテン第7位
第2長編 『死者を侮るなかれ』2003年9月10日文春文庫より発行
死者を侮るなかれ (文春文庫)
¥ 900 / 文藝春秋 (2003-09)
在庫あり。

これは犯罪と復讐と裏切りの物語である。 この小説には何人もの印象的な人物が存在するが、中でも強烈な負のパワーを放ち読者を惹きつけてやまないのがストーリー母子。 情緒不安定なスピード中毒者、口を開けばスラングが飛び出す札つきのビッチ。 そんな母を忌み嫌いつつ呪縛されている娘のシェイ、互いの喉首に食らいつくように反発しあう母と娘が演じる剥き出しの魂のぶつかりあいが、あるいは本筋以上に手に汗握るもうひとつの命題として全編を貫く。 登場人物はいずれもなにがしかの破綻を抱えており、どこまでも利己的に突っ走っては罪を罪で隠蔽するための薄汚い策略を練り、弾丸をばらまき、人格の高潔さよりは品性の野卑さを露呈する。 破滅へとひた走る彼等の生き様を炙りだすのは比喩を多用したドライヴ感あふれる文体、ときに詩的な、ときに破壊的なリズムを生んできな臭い火薬のスパイスを散りばめる。 そしてこれは社会から排斥された者たち、社会に背を向けた隠者が再起を賭けて戦いに挑む物語でもある。 埋葬された真実を追い求めるヴィクを献身的にサポートするランドシャーク、二人が事件の捜査を経て信頼を築き友情を育んでいく過程、ランドシャークがヴィクに導かれ一歩踏み出すシーンは、エゴの塊のような人間ばかりが入り乱れる本作において敬虔な感動を与えてくれるだろう。
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第3長編 『凶器の貴公子』 文春文庫から2005年8月10日発行
凶器の貴公子 (文春文庫)
凶器の貴公子 (文春文庫)
ボストン・テラン
¥ 980 / 文藝春秋 (2005-08-03)
在庫あり。

凶器振り回す美青年のノワールかと思ったが違った。 内省的なキャラ達がぶつぶつと独り言を言い、 その場に居ない人間に対して議論する、 地味な自分探しの物語。 アクションシーンはほとんどありません。 ノワールというより、ミノタウルス伝説をモチーフにした つまらん文学。 リフレインの手法がうざい。 星は一つでいいと思われるが、 かろうじて、神やチンチンを馬鹿にしてる視点も読み取れるので、 オマケして星二つ。 『神は銃弾』 は必読の大傑作だが、 ボストン・テランはもう見捨てます。
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2010年09月01日 | read more

豊饒の地(上)(下)/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1995.9.29発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第3弾

深夜、丘陵地帯をゆっくり車で走り帰宅しようとするデッカーに一瞬の光が目にとまった。

捜索をやめるなと告げる内なる声に導かれたデッカーを待っていたのは、二歳にも満たない幼児だった----

愛と友情の物語は深く深く読む人をひきつける。

今回は両親からの捜索願が出ないのに大事にされていたことがわかる幼児の事件・デッカーの戦友エイベルが売春婦へのレイプと暴行の現行犯で逮捕された事件・デッカーとリナの愛の行方と次から次へと読む人の心に揺さぶりをかけます。

デッカーの部下:下手なフルート演奏でみんなを悩ませるマージ・ダンとのんびりした性格のマイケル・ホランダーからも目が離せません。

是非このシリーズにはまって第1作から第10作までをお楽しみください。

1995年9月29日創元推理文庫より発行

豊饒の地〈上〉 (創元推理文庫)
/ 東京創元社 (1995-09)


豊饒の地〈下〉 (創元推理文庫)
/ 東京創元社 (1995-09)


<リナ&デッカー・シリーズ>
第1弾『水の戒律
第2弾『聖と俗と
第3弾『豊饒の地(上)(下)』
第4弾『贖いの日
第5弾『堕ちた預言者
第6弾『赦されざる罪
第7弾『逃れの町
第8弾『正義の裁き(上)(下)』
第9弾『死者に祈りを(上)(下)』
第10弾『蛇の歯(上)(下)』


2010年08月30日 | read more

聖と俗と/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1993.12.17発行)

17年前このシリーズは読んだ記憶がありますが、最新作を読んで今回また読み返すことにしました。

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ 第2作

クリスマス・イヴにデッカーと山の中でキャンプを張っていたリナの子供サミーが黒焦げの人骨2体を発見したところから本編第2作は始まります。

このシリーズは、リナとデッカーと、その二人をめぐる人々の愛と成長の物語です。

社会の厳しい現実と宗教の説く理想とのギャップ 人はどうやって生きていくのでしょうか。

昔と同じように引き込まれて本に没頭してしまいました。

第2作の解説者は第1作について『お互いに惹かれあっていても。相手の立場を思いやり自制してしまう二人の関係に、私は「これが大人の愛なのよと感動してしまった」と

そして第2作を読み終えて「これも大人の愛なのよ」と静かに思いつめている』と書いています。

1993年12月17日創元推理文庫より発行

聖と俗と (創元推理文庫)
聖と俗と (創元推理文庫)
フェイ ケラーマン
/ 東京創元社 (1993-12)


本国では人気作家と聞くフェイ・ケラーマンですが、日本では今ひとつマイナーなような…。フェイは、上質で小説として読み応えのあるミステリーがお好きな方にはお勧めです。この作品は「ピーター・デッカー&リナ・ラザラス」というシリーズの2作目にあたり、1作目の『水の戒律』に比べると事件が猟奇的で謎解きにも楽しみがあります。焼け焦げた残骸となって発見された2体の死体は、いずれも10代の少女だった。刑事デッカーは二人の身元を探り当てるが、二人はまったく結びつきのない、違う世界に住む娘たちだった。なぜ一緒に無残な死を迎えたのか…。このシリーズはキャラクターが魅力的で味わい深いので、もっと多くの方に読んでもらいたいと思います。
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リナ&デッカー・シリーズ
第1弾『水の戒律
第2弾『聖と俗と』
第3弾『豊饒の地(上)(下)』
第4弾『贖いの日
第5弾『堕ちた預言者
第6弾『赦されざる罪
第7弾『逃れの町
第8弾『正義の裁き(上)(下)』
第9弾『死者に祈りを(上)(下)』
第10弾『蛇の歯(上)(下)』


2010年08月27日 | read more

P2(上)(下)/ルイス・ミゲル・ローシャ/新潮文庫(2010.6.1発行)

2006年世界的ベストセラーになったポルトガルの作家のミステリ

1978年9月に在位わずか33日でローマ法王ヨハネ・パウロ一世が自室で遺体で発見された事件と30年後の現代とが錯綜して読者の前に現れる。

村上春樹の日本語を読んだ後ではこの翻訳の日本語はちょっとつらいものがありました。

それでもどんどん読んでいったのは、世紀の事件の究明に挑み、先を知りたいと思わせる構成力のせいでしょうか。

本書は「ヴァチカンをめぐる歴史ミステリの第1弾」

訳者は「ヴァチカンの闇はどこまでも深い」「ほんとうのミステリーはこれから始まる」との一文でそのあとがきを閉じています。

2010年6月1日新潮文庫より発行 原題は「LA MUERTE DEL PAPA(ローマ法王の死)」

P2〈上〉 (新潮文庫)
P2〈上〉 (新潮文庫)
ルイス・ミゲル ローシャ
¥ 620 / 新潮社 (2010-05-28)
在庫あり。

確かに映画を見ているようです。しかし雑で、原文が悪いのか訳の問題か、特に会話の部分に違和感があります。二度は読みません。図書館で借りて正解でした(買ったら損)。ヴァチカン銀行のスキャンダルに関しては、同じ新潮文庫の1985年刊ラリー・ガーウィン著「誰が頭取を殺したか」のほうが面白いです。
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P2〈下〉 (新潮文庫)
P2〈下〉 (新潮文庫)
ルイス・ミゲル ローシャ
¥ 620 / 新潮社 (2010-05-28)
在庫あり。

はっきり言って退屈だった。最初の導入は面白いのに、ページを捲る毎につまらなくなる。謎解きはかなり表層的で、「そんなことは今までも言われてきたことでしょ」の域を出ない。確かに興味深い部分もあるのだが、掘り下げが浅いので、逆に引いてしまう感じ。 暗号の謎も1回きりで大したことないし、暗殺者との追跡劇も、何回も簡単に逃げ延びてしまうので緊張感ゼロ。 ヴァチカンの暗部を軽く読むのには良いかもしれないが、質の良いサスペンスとはとても呼べない内容だった。
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2010年08月26日 | read more

[番外編]1Q84 BOOK1〜3 /村上春樹/新潮社(2010.4.16発行)

作者の解説によれば“10歳で出会って離れ離れになった30歳の男女が、互いを探し求める話”

べストセラーになる本は読みやすくて、先を読みたいと誰もが思うような構成と展開を持っている。

昨年世界中を巻き込んだベストセラー『ミレニアム1〜3』にもまったく同じことが当てはまります。

大きな違いは、ミレニアムの作家は亡くなってしまったが、村上春樹は元気なこと。

第3巻は展開が遅く、ちょっといらいらさせられた。日本的な浪花節的展開なのかな。

ミレニアムは第3巻でも大きな展開があったので、ここに両者の差がある。どちらかしか読めないとすれば、ミレニアムに軍配をあげます。

だけど両者ともに面白さと構成には脱帽です。

うちのが3冊読みきっただけはありました。本書を面白いと思った方は是非『ミレニアム』を読んで比べてみてください。どちらに軍配があがるのでしょうか。

『ミレニアム』は映画化され、日本でも上映されました。原作を読んでいてもいなくても充分に楽しめるいい映画に出来上がっていました。1Q84も映画化されるのでしょうか。

2010年4月16日新潮社より発行

1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 1
村上 春樹
¥ 1,890 / 新潮社 (2009-05-29)
在庫あり。

文庫ならまだしも1890円も出して装飾されたハードで読むほどの内容ではないと思います。 ポエムのように青豆のことを語るくだりは笑えましたが… 行間、構成、テンポ、心理描写など、特に突出した部分もありませんでした。 たぶん、内容は斜め読みで十分理解できると思います。 挿絵の入ったライトノベルだったら評価は変わっていたかもしれません。
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1Q84 BOOK 2
1Q84 BOOK 2
村上 春樹
¥ 1,890 / 新潮社 (2009-05-29)
在庫あり。

村上春樹の長編小説は初めて読んだのですが・・・ 「まるであの映画みたいですね。」 「ジョン・カーペンターの『マウス・オブ・マッドネス』」 「そうそう、それそれ。サム・ニールが保険会社の調査員をやってるんですよ。それでユルゲン・プロホノフがベストラーのホラー小説家で、彼の描くフィクションだと思っていた向こう側の怪物の話は実は本物で、彼が書いた小説が出版され大衆に読まれることで世界が変容してゆく。サム・ニールも彼に関わることでそれに一役買っていたってやつ。そういやあの人も自動車で寝ちゃってて、目が覚めたら別の世界にいたんだっけ。監督本人が作曲の音楽が好きだったな、かっこよくて。」 とまあパロッてみましたが・・・I couldn't help it. その気で読めば意外とラグクラフト系のオカルト陰謀ものっぽくて、個人的にはそのバリエーションのひとつとして結構楽しめました。
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1Q84 BOOK 3
1Q84 BOOK 3
村上 春樹
¥ 1,995 / 新潮社 (2010-04-16)
在庫あり。

BOOK3。 やっと読み終わりました。 感想は、「あぁ何かもう、すげえな」です。 細部を語る言葉はなく、総体を表現することしかできません。 1Q84全てを読みとおして感じたこと。 この「1Q84」という物語は高い所から俯瞰してみると、BOOK3の時点で起承転結の「承」が終わった段階じゃないかと。 そんな気がします。
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ミレニアム シリーズ第1作『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上)(下)』
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
¥ 1,700 / 早川書房 (2008-12-11)
在庫あり。

夢中になって読んだ。 ミステリーあり、サスペンスあり、社会性にも富んでいる。 しかも、ひとつの社会的な問題に焦点を当てるというよりも、スウェーデンという国全体を扱っている。 スウェーデンという馴染みのない国について、もっと知りたくなった。 ミステリー小説というよりも、サスペンス性が素晴らしい。 謎を追う興奮がとんでもない。すごくのめり込んだ。 次々に展開していくドラマ性もばっちり。 所々で、思わず声を上げそうになるほどの驚きがあった。 掘り下げていくごとに明らかになる社会悪。 裏では、様々な問題がうごめいている。 ストーリーとも相まって、そのメッセージ性はこれ以上ないほど強烈でした。 最後はやや駆け足な展開で、ミステリーとしてはちょっと拍子抜けだが、 勧善懲悪なストーリーは読んでいて気持ちがいい。 次作も楽しみです。 【以下ネタバレを含む】 ハリエット失踪時の孤島の作り方。 聖書に基づく殺人。これは、「なぜ見立て殺人をするのか」に対する完璧な回答ではないか。 下巻P247「引き継いた」という単独犯でも共犯でもない、新しい犯罪の形。 すごくアイディアに富んだ作家さんだな、と感じました。
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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下
¥ 1,700 / 早川書房 (2008-12-11)
在庫あり。

写真を手がかりにして謎が解けかけてきたあたりは、まあおもしろかったのですが、後半急にドタバタになった感じです。 疑問に思ったのは、ヘンリックがなぜ、身近にとんでもない殺人鬼がいることに気がつかなかったのか? それから、ミカエルは、あんなに綿密な調査をしながらなぜアニタについては全然調査しなかったのか?? この点が不満です。 おもしろかったですが、絶賛するほどではないですね。読み返そうとは思いません。
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ミレニアム シリーズ第2作『ミレニアム2 火と戯れる女(上)(下)』
ミレニアム2 上 火と戯れる女
ミレニアム2 上 火と戯れる女
スティーグ・ラーソン
¥ 1,700 / 早川書房 (2009-04-02)
在庫あり。

リスベットの過去が明かされる、『ミレニアム』三部作、激動の第2部。 前作でリスベットに惹かれてしまった人は、もう読むしかない。 世界を相手にひとりで戦うリスベット。 たしかに激動ではあるけれども、なんだか話がひとりでに大きくなって、よくありがちな安っぽい展開になってしまったように感じた。 間延びしているというか、第1部にあったスピード感がうすれてしまった。 話が壮大なわりには、あまり伝わってくるものがない。メッセージが希薄化している。 第1部に比べたら劣るものの、それでも面白い。夢中になって読んだ。 特に、最後の展開にはびっくりした。はー、びっくりしたよ。 そして、物語は明らかに続いている。第3部にも期待です。
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ミレニアム2 下 火と戯れる女
ミレニアム2 下 火と戯れる女
スティーグ・ラーソン
¥ 1,700 / 早川書房 (2009-04-02)
通常6日以内に発送

本筋とは関係ないのですが…ミカエルの携帯電話の使い方が変だと思いました。 完全オフ日ならともかく、仕事中…しかも一刻も早く情報収集せにゃならんのに、重要人との会見を中断されたくないからって、電源切るか?メールや留守電機能がないとか?それはないでしょ!唯一、リアリティを感じられないと言うかツッコミ入れてしまった点です。作者自身、そんなに携帯に依存していなかったのかもしれないですね。まだ愛電話も発売されてなかったし。
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ミレニアム シリーズ第3作『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上)(下)』
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上
¥ 1,700 / 早川書房 (2009-07-09)
在庫あり。

前置きが長すぎる。 登場人物が多すぎて、訳がわからなくなる。 それでも、下巻に入ってから、特に、裁判が始まってからの盛り上がりが異様。 P390 その事件の核心は結局のところ、スパイとか国の秘密組織とかじゃなくて、よくある女性への暴行と、それを可能にする男どもなんだ。 迷走していたかにみえた物語が一気に整理され、意味が見えてくる。 最初はイマイチだと思っていたサブタイトルが、がぜんカッコ良く見えた。 すべての組織の人間の思惑、策略、動揺が見えるのが面白い。 これこそ、作者視点で描かれた作品の醍醐味ですね。 そしてエピローグも良い。 大円団、大勝利。実に爽快だ。 リスベットが柔らかくなる。 解説にもあったが、やはりこれはリスベットの物語なんだなあ。 第1部から続いていた物語は、これでいったん区切りがつく。 第4部を読みたい気もするが、これで終わりというほうがすっきりしていい気もする。 いずれにせよ、この本に出会えてよかった。
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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下
¥ 1,700 / 早川書房 (2009-07-09)
在庫あり。

何パターンも続編を考えました。私に文才があれば!パートナーの方は(愛読者なら続編と気付くような)新作として発表する気は無いのかしら?あ〜もったいない。 作者の生前のライフスタイルや没後の騒動を見てると…用意周到なんだか抜けているのか…全編通して感じた細かいツッコミ所は、さもありなんと思いました。
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2010年08月15日 | read more
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