イスタンブールの群狼/ジェイソン・グッドウィン/ハヤカワ文庫(2008.1.25発行)

☆2007年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞(エドガー賞)最優秀長篇賞(BEST NOVEL)受賞作品

舞台は1836年19世紀のオスマントルコ イスタンブールの街

主人公は19世紀のイスタンブールにさえ稀な異形の存在・宦官のヤシム

オスマントルコ帝国近衛新軍の四人の士官が突然姿を消し、調査の依頼を受けたヤシムは-----

トルコ料理の美味しそうなこと・入ってみたいお風呂などイスタンブールのガイドブック・旅行記のような面白さ。

友人のポーランド大使パレフスキー、コサック舞踏手プリーン等の脇役たちの人間的魅力も捨てがたいものがあります。

2008年1月25日ハヤカワ文庫より発行 原題は「THE JANISSARY TREE」

イスタンブールの群狼 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
¥ 966 / 早川書房 (2008-01-24)
在庫あり。

よく知らない国の、よく知らない時代の話なので、情景を思い描くのが難しい。 正直、すごく挿絵が欲しかった。 また難しい言葉や、分かりにくい表現も多い。 この本をスラスラ読めて、ちゃんと理解できる人ってスゴイと思う。 私はパソコンを前に置いて、色々調べながら読みました。 ストーリーは途中まで非常に良いのですが、終盤(特にクライマックス)つまらなくなりました。 ちょっとやり過ぎではないかと。 イェニチェリどっかいっちゃうし・・・。 最後までメインは『対イェニチェリ』でいってほしかった。 苦労して読んだだけに、ちょっとガッカリ。
...続きを読む

筆者紹介:ケンブリッジ大でビザンツ帝国の歴史を学び、イスタンブールに魅せられる。

本書に続く、宦官のヤシムの活躍を描いたシリーズは第3作目を執筆中
第2作『イスタンブールの毒蛇』

イスタンブールの毒蛇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
¥ 945 / 早川書房 (2009-04-28)
在庫あり。

オスマン・トルコ帝国に使える宦官ヤシムを主人公にした『イスタンブールの群狼』で MWA最優秀長編賞を受賞した著者によるシリーズ第2作。 内容を2時間サスペンス風に紹介すれば 宦官ヤシムの事件簿2 壮麗なイスラム建築と多彩なトルコ料理― 人種・宗教が複雑に絡み合う古都イスタンブールを舞台に 頻発する商店襲撃と、その背後に潜む巨大な陰謀を 明晰な推理が見事に暴く!! といった感じです。 小さな謎が隠された過去や巨大な計画へつながっていく サスペンスとしての面白さはもちろん、 イスタンブールやオスマントルコにまつわる歴史や 料理、建築、人々の暮らしなどの文化を学ぶこともできたりーと 1冊で何通りもの楽しみ方ができる、とってもお得な作品。 ストーリーは軽快で、登場人物は多彩かつ魅力的。 そのうえ、読後感もさわやかなので ミステリー・ファンだけでなく アラブ文化に興味のある方や、トルコへご旅行の予定がある方など 幅広い方に読んでいただければと思います☆
...続きを読む


2010年02月03日 | read more

チャイナ・レイク/メグ・ガーディナー/ハヤカワ文庫(2009.11.15発行)

☆2009年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞(エドガー賞)最優秀ペーパーバック賞(BEST PAPERBACK RIGINAL)受賞作品

作品の発表は2002年 アメリカに紹介された(巨匠スティーヴン・キングが推奨)のが遅く受賞がこの年

主人公は軍人一家に育った女性弁護士でSF作家のエヴァン・ディレニー

脇役にエヴァンのボーイフレンドで車椅子の弁護士ジェシー・ブラックバーン

法廷ミステリではなく、向こう見ずに突き進む女性が活躍する冒険アクションのサスペンス

読み終わったときに自然と涙が出てきました。

既にシリーズ5作まで発表されており、次作以降の邦訳がとても待たれます。早川書房さんなら、この期待にこたえてくれるものと信じています。

2009年11月15日ハヤカワ文庫より発行

チャイナ・レイク (ハヤカワ・ミステリ文庫)
¥ 1,050 / 早川書房 (2009-11-10)
在庫あり。

 カルト教団に甥っ子を誘拐されそうになるヒロイン、エヴァンの活躍劇、といったストーリー。  カルト教団を中心にすえてストーリーを組み立てているから、どれだけ荒唐無稽、トンチンカン、支離滅裂なストーリーを書いても、ある意味なんでもありになるわけだし、聖書をどのように解釈してもありなわけで、実際、聖書の引用と解釈がこれでもか、と出てくるのだが、正直、東洋人の私には感情移入できないし、理解できないし、辟易もの。西洋人は違うのかもしれないが。  「S・キング絶賛」とあって、ガッカリしたのはこれが最初ではない。どうも彼氏の推薦は肌にあわない。  それでも600ページ超の本書を読み切ったのは、アクションものの書き方を著者がいくらかは心得ているらしいことに救われたため。  これでアクション、冒険・ミステリ小説の作法を知らない著者の作品だったら10ページで投げ出していた。  あまり辛口採点はしないほうなんですが…。ごめんなさい。
...続きを読む

筆者紹介:1957年アメリカ・オクラホマ州生まれのサンタバーバラ育ち

スタンフォード大ロースクール卒 弁護士として活躍

現在はイギリス人の夫と3人の子供と友にロンドン近郊に在住


2010年02月01日 | read more

バッド・モンキーズ/マット・ラフ/文藝春秋(2009.10.10発行)

☆このミステリーがすごい!2010年版(2009年)ベスト20宝島社第4位
☆2009年週刊文春ミステリベスト10(海外)第10位
☆闘うベストテン2009(AXNミステリチャンネル)国内外ミステリ第8位

逮捕されたとき、ジェイン・シャーロットは刑事に犯罪と闘う秘密組織”バットモンキーズ”の一員だと伝えた----

一気に読んでしまいました。痛快な(?)作品です。

訳者は「SF、ファンタジー、サスペンス、アクション、ミステリその他もろもろの要素が渾然一体となっており、全てのジャンルをごった煮にして、軽くポップに仕上げた作品」と紹介しています。

マット・ラフの第四長篇小説

本書はマット・バタグリアの会社に映画化権が売れているそうです。映像化されるのが楽しみですね。

2009年10月10日文藝春秋より発行

バッド・モンキーズ
¥ 1,200 / 文藝春秋 (2009-10)
在庫あり。

「このミステリがすごい!」海外部門4位ということで読みましたが、 いやすごい、面白かったです! とくに「褒め言葉として、頭おかしい」作品が好きな方に強くお勧め。 あらすじは下の方が端的に書いてくださっているので書きませんが、 オリジナリティが強く、かと言ってけっして玄人オンリーって わけでもなく(わりとすぐ読めますし)、 ミステリ読みにもSF読みにも広く喜んでもらえる傑作だと思います。 寺田克也氏の装画も、中身のドライブ感を明確に映し出していて、 読了後に読むとますますにやりとできるしかけ。大満足です。
...続きを読む

著者紹介:1965年ニューヨーク生まれ シアトル在住

1998年コーネル大学在学中に書きはじめた長篇作品「Fool on the Hill」で作家デビュー


2010年01月31日 | read more

メアリー-ケイト/ドゥエイン・スウィアジンスキー/ハヤカワ・ミステリ文庫(2008.11.15発行)

☆ミステリが読みたい2010年版(早川書房)第9位
☆このミステリーがすごい!2010年版(2009年)ベスト20宝島社第19位

物語は「あなたのドリンクに毒を盛ったわ。」という衝撃の言葉で始まり、これがただの序曲に過ぎないことが明らかになる。

こいつは絶対に面白いぜ。

落ち込んでいたら是非手に取ってみてください。

痛快なミステリです。

2008年11月15日ハヤカワ・ミステリ文庫より発行

メアリー‐ケイト (ハヤカワ・ミステリ文庫)
メアリー‐ケイト (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ドゥエイン スウィアジンスキー
¥ 882 / 早川書房 (2008-11)
在庫あり。

傑作といっても、あくまでB級としてなので、高尚なブンガクを求める方には向かないかと。 突然ブロンド美女に毒を持ったと告げられる冒頭から、ブラックな笑いと余韻を残すラストまで、一気呵成に突っ走ります。 物語はかなりどたばたしていますが、決して読者を置いてきぼりにせず、思いっきり広げた風呂敷をラストに向けて巧みにたたんでいきますので、物語を読む楽しみを存分に味わうことが出来るでしょう。 結構バイオレンス度が高いので嫌悪感を持たれる方も多いかと思いますが、物語と割り切ればどたばた狂騒劇として楽しめると思います。
...続きを読む

ドゥエイン・スウィアジンスキー邦訳第2作『解雇手当』
解雇手当(ハヤカワ・ミステリ文庫)
解雇手当(ハヤカワ・ミステリ文庫)
ドゥエイン・スウィアジンスキー
¥ 966 / 早川書房 (2009-06-10)
在庫あり。

 世間に知られてはいけない政府系秘密会社。上層部から会社そのものの末梢を命ぜられた社長は、土曜日の朝、社員全員をビル36階の会社フロアに監禁、自らも含めビルごとの末梢を画策するが、ひとりの社員が…。  とうてい現実ではあり得ない、超過激ノンストップアクションもの。映画化決定だそうだが、確かにアメリカ・アクション映画にむいていそうなストーリーだ。あまりのウルトラ超人的な登場人物には滑稽すら感じるが、アクションもの好きの方はご一読を。ラストも一興。
...続きを読む

こちらも☆ミステリが読みたい2010年版(早川書房)第19位


2010年01月29日 | read more

スリー・パインズ村と運命の女神 ガマシュ警部シリーズ/ルイーズ・ペニー/ランダムハウス講談社(2009.6.10発行)

主人公のアルマン・ガマシュ警部・補佐役のジャン・ギー・ボーヴォワール警部補・村人で芸術家で鋭い洞察力を持つクララ・モローのシリーズ第2作

☆2008年アガサ賞(AGATHA AWARDS)最優秀長篇賞(BEST NOVEL)受賞作品

またまた日本のミステリ・ベストものは、この作者と本作品を無視いたしました。題名からコージー・ミステリもの と判断して読んでさえいないのでしょうか。

アガサ賞を伊達にとっているわけではありません。が、100ページまでは少しがまんが必要です。

スリー・パインズ村の心温まるみんなとアルマン・ガマシュ警部とその部下たちに是非逢ってみてください。

あなたもこの物語の虜になります。

なお、必ず第1作『スリー・パインズ村の不思議な事件』からお読みください。

2009年6月19日ランダムハウス講談社より発行 原題は「A FATAL GRACE」

スリー・パインズ村と運命の女神 (ランダムハウス講談社文庫 ヘ 4-2)
¥ 998 / ランダムハウス講談社 (2009-06-10)
在庫あり。

デビュー作に続いて、カナダの田舎、それもフランス語圏のケベックの小さな村を舞台に、住人たちの過去と人間関係が入り組んでいる中での捜査です。ガマシュ警部は信頼できる部下と、そうでない部下を伴って事件に挑みます。巧妙な仕掛けは無いのですが、それぞれの人物の考え方と行動を内面から描いています。 ただ、犯人と犯意や殺害方法には、ちょっと無理があるなぁと思いました。ただ、前回もそうであったので、このような部分を殺意として、このシリーズは続いていくのかなと感じました。
...続きを読む

シリーズ第1作『スリー・パインズ村の不思議な事件』
スリー・パインズ村の不思議な事件 (ランダムハウス講談社文庫)
¥ 945 / ランダムハウス講談社 (2008-07-10)
在庫あり。

凄く懐かしい感じのする本格ミステリーでした。地図にさえのってない小村スリー・パインが舞台。 そこで起こった殺人事件をガマシュ警部が捜査する事になるけど、我慢強く人の話を聞き相手の気持ちを理解できるので穏やかな気持ちにさせてくれます。 今流行りの科学捜査もなく古風な捜査方法がメインやけど、逆にそれがいいですよ。 一癖も二癖もある登場人物が登場して物語にアクセントを加えてるけど、新人刑事ニコルの言動には終始イライラさせられました。 ガマシュ警部の堪忍袋の緒が切れる前に読者の堪忍袋の緒が切れそうです(笑)。
...続きを読む

このシリーズで不満があるのが、登場人物欄です。第1作では、書店オーナーのマーナ・ランダースを落としていたし、今回は2人の刑事を落としています。

もう少し欄を広げてよく出てくる登場人物は落とさないでくださいな。


本書『スリー・パインズ村と運命の女神』の会話から抜粋
「彼女はひどく不幸で、まわりに八つ当たりをしていました。人間て、そういうものですよね?ほかの人たちが幸せだと我慢できないのです」

「不幸を経験してきた人は、ほかの人を助ける責任があります。自分が救われたのに、ほかの人を溺れさせておくわけにはいきません」


2010年01月27日 | read more
・これまでのアーカイブ
2010.02 | 2010.01 | 2009.12 | 2009.11 | 2009.10 | 2009.09 | 2009.08 | 2009.07 | 2009.06 | 2009.05 | 2009.04 | 2009.03 | 2009.02 | 2009.01 | 2008.12 | 2008.11 | 2008.10 | 2008.09 | 2008.08 | 2008.07 | 2008.06 | 2008.05 | 2008.04 | 2008.03 | 2008.02 | 2008.01 | 2007.12 | 2007.11 | 2007.10 | 2007.09 | 2007.08 | 2007.07 | 2007.06 | 2007.05 | 2007.04 | 2007.03 | 2007.02 | 2007.01 | 2006.12 | 2006.11 | 2006.10 | 2006.09 | 2006.08 | 2006.07 | 2006.06 | 2006.05 | 2006.04 | 2006.03 | 2006.02 | 2006.01 | 2005.12 | 2005.11 | 2005.10 | 2005.09 | 2005.08 | 2005.07 | 2005.06 | 2005.05 | 2005.04 | 2005.03 | 2005.02 | 2005.01 | 2004.12 | 2004.11 | 2004.10 | 2004.09 | 2004.08 | 2004.07 |

Syndicate this site (XML) / designed by Yukito Inoue
total / today: today / yesterday: prev