震える山/ C・J・ボックス/講談社文庫(2010.4.15発行)

ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット シリーズ第5作(邦訳では第4弾)

ジョーの尊敬する猟区管理官ウイル・ジェンセンが自ら命を断ったという信じられない情報が保安官からもたらされた。

臨時にウイルの勤務地域の勤務を命じられ、家族から離れて任地に赴く彼を待っていたのは----

2010年4月15日講談社文庫より発行

震える山 (講談社文庫)
震える山 (講談社文庫)
シー・ジェイ・ボックス
¥ 860 / 講談社 (2010-04-15)
在庫あり。

C・J・ボックスによる“現代のウェスタン”と称される、ワイオミング州猟区管理官<ジョー・ピケット>シリーズ邦訳第4弾。本書は’05年の作品だが、ボックスといえば、この後に書いたノン・シリーズの『ブルー・ヘヴン』が、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」’09年度ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)を受賞している。今、アメリカで最ものっているミステリー作家のひとりである。 さて、本書だが、ジョーの尊敬する先輩の猟区管理官が大型の銃で自殺と思われる状況で死亡し、ジョーは臨時に彼の任地・花形地区ジャクソンホールに単身赴任する。そこはジョーのホームタウンである小さな町サドルストリングとは何もかも異なる、アメリカ有数の国立公園の入り口で、広大な大自然を擁する山岳リゾート地であった。 そこでジョーは、非協力的な地元の保安官、特別な家畜の安全な肉を提供する特権的コミュニティ建設をもくろむ強引で高慢な実業家とジョーを誘惑するその妻、肉食を糾弾する動物保護運動家、時代遅れといわれる老アウトフィッターらと出会う。 しかしジョーの頭の中にはタフで有能だった先輩猟区管理官の死がこびりついて離れなかった。残した家族の心配をし、勝手が違う新任地での仕事や難題をこなし、彼らのさまざまな思惑に戸惑いながらも、死の真相を探ろうとするジョーにも危機がひたひたと迫る。物語の大半は、そんなジョーの行動や留守宅の家族に起こる不審な出来事、ホームタウンの元保安官のもとに東部から現れた謎の男などのエピソードが綿々と綴られるのだが、ジョー・ピケットという男の“個性”が存分に描かれていて、飽きたり退屈な思いをしたりすることなく読者はずっと惹きつけられ、最後の最後に明らかになる恐ろしい陰謀に目を開くのである。 本書は、雄大な山岳地帯を舞台にしたクラシックな男の冒険譚であると共に、昨今話題の“食肉”の問題も取り上げた、独創的な物語である。
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第1作「沈黙の森](2004.8.15)
沈黙の森 (講談社文庫)
沈黙の森 (講談社文庫)
シー.J・ボックス
¥ 750 / 講談社 (2004-08-10)
在庫あり。

本書は、’01年に本国で発表されるや、その年度の主だったミステリー新人賞の四冠に輝き、MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞にもノミネートされた作品である。 ジョー・ピケットは、野生生物を保護・管理する新米のワイオミング州猟区管理官である。就職面接の日を勘違いしてすっぽかしたり、許可証なしで釣りをしていた男を新知事とは知らず検挙したり、密猟者に違反切符を切っている最中に自分の拳銃を奪われたりと、物語の冒頭ではかなり不器用な人物として描かれる。 ストーリーはある日、ジョーが娘と自宅の裏庭で、死体を見つけたところから動き始める。次いでキャンプ場にもふたりの死体と犯人と目される人物がいた。犯人は撃たれて、重体となり、事件は解決したかに見えたが、腑に落ちないジョーは、ひとりで調査を続けるのだった。そして・・・事件の背景に絶滅したとされている動物をめぐるある企業の思惑と、殺人の思いがけない動機、真犯人を知るに至るのである。 ここに来て、“仕事”と“家族”を純粋に愛するジョーは、それらが危機に晒され、自分の信念に泥を塗られる事態となり、強く堂々たる主人公へと変貌してゆく。邪悪な陰謀と無能な官僚組織を相手に、四面楚歌の状況から敢然と立ち上がるのだ。 都会の物語とはまったく違う、アメリカ西部・ワイオミングの大自然の見事な描写を背景に、何より大切な家族のために、真犯人に対しても躊躇なく銃を放つジョーの姿には胸を打たれる。
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第3作「凍れる森」(2005.10.15)
凍れる森 (講談社文庫)
凍れる森 (講談社文庫)
シ-・J・ボックス
¥ 820 / 講談社 (2005-10-14)
在庫あり。

C・J・ボックスによる<ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット>シリーズ邦訳第2弾(デビュー作『沈黙の森』と本書の間に未訳の作品が1作ある)。 冬の嵐が近づく中、ジョーはエルクの大量殺戮現場に遭遇する。違法ハンターは森林局の役人だった。ジョーは彼を捕らえるものの逃げられてしまい、ようやく追いついた時には何者かによって殺害されていた。世捨て人の鷹匠が容疑者として逮捕されるが、ジョーは合点が行かない。 しかし農務省森林局のキャリアウーマンが立ちはだかり、無能な保安官事務所、好戦的なFBI捜査官も登場し、さらに反政府主義のサバイバリスト集団「独立市民」が国有林の一部を占拠し、事態は複雑な様相を呈し始める。そんな時、また土地管理局の役人が襲われる。 本書のメインストーリーは自分勝手な官僚組織を向こうにまわし、正義を貫き通すジョーの物語であるが、ジョーの里子エイプリルに対する愛情もサイドストーリーとして見逃せない。愛する家族とワイオミングの自然を守るため、普段は心優しいジョーが雪嵐のなか、命を懸けて闘う姿は、読む者の心を揺さぶる。実際に最後の100ページほどは、私もジョーに完全に感情移入してしまい、一気呵成に読みきった。 本書は、現代西部が直面する問題を、ジョーという等身大のヒーローを通して訴えた感動作である。
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第4作「神の獲物」2008年3月14日講談社文庫より発行
神の獲物 (講談社文庫)
神の獲物 (講談社文庫)
シー・ジェイ・ボックス
¥ 860 / 講談社 (2008-03-14)
在庫あり。

 シリーズ第3作目ということなのですが、前2作を知らずに本作から読みました。途中、どう考えても何か伏線がある(過去の事件から来る人間関係のからみ)のが読み取れ、3作目だと気づきました。1、2作目を先に読んでいるとどこまですっきり読めるかわかりませんが、やはりシリーズものは作品順に読むべきでした。  さて、本作品ですが、前半は事件事件の前フリ段階で、それほど引きずり込まれるようなこともなくゆっくりと読みましたが、後半展開が早くなり一気に読み終わりました。家族を愛する薄給の猟区管理官の生活中に起こる事件を題材にしているため、事件そのものは解決されるのですが、超自然的な力も否定しきっていないところが普通のミステリーと異なるところでしょうか。アメリカの国立公園や自然管理に興味のある方には面白く読めると思います。
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2010年05月29日 10:34 | edit 

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■カテゴリー:
*男性刑事(捜査官)もの
評価: ☆☆☆☆☆
猟区管理官ジョー・ピケット シリーズ

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