ジーヴズの事件簿/P.G.ウッドハウス/文藝春秋(2005.5.30発行)

2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)第8位

思わずほほえんだり、大声でげらげら笑ってしまう面白さ これってでもミステリなのかな 楽しいものを読みたい方にお薦めします。

P.G.ウッドハウス(1881−1975) 全世界で百年以上も読まれ続けるイギリスの巨匠

60年以上にわたってジーヴズ(従僕)とウースター(若主人)を主人公とした作品を書き続けた。

本書はより抜きの12編に加え特別収録作品1編を収録
収録作品
「ジーヴズの初仕事」「ジーヴズの春」
「ロヴィルの怪事件」「ジーヴズとグロソップ一家」
「ジーヴズと駆け出し俳優」「同志ビンゴ」
「トゥイング騒動記」「クロードとユースタスの出帆遅延」
「ビンゴと今度の娘」「バーティ君の変心」
「ジーヴズと白鳥の湖」「ジーヴズと降誕祭気分」
「ガッシー救出作戦」

このミステリーがすごい!2006年度版(2005年)ベスト10宝島社<海外>でも第9位
 
2005年5月30日文藝春秋より発行

ジーヴズの事件簿  (P・G・ウッドハウス選集 1)
¥ 2,900 / 文藝春秋 (2005-05-27)
在庫あり。

 「事態が最悪になりそうに見えても大抵の場合それほどにはならないものだとは、僕も経験上知っている。」  これはこのシリーズの一方の主役、若主人バーティ・ウースターの言葉なんだけど、“事態がそれほどにはならない”のはもう一方の主役、天才執事ジーヴズの暗躍があればこそなのは、読者も、もちろんウースターも知っている。  “バカ殿”ウースターが、一目ぼれ癖のあるくされ縁の友人ビンゴや、お節介焼きのアガサ叔母によって、事件(つーか難題)に巻き込まれ、ジーヴズが飄々と暗躍して一件落着ってワンパターンなんだけど、これがいくらでも読みたくなっちゃう代物なのである。とにかく、人物設定、ストーリー設定が巧みだ。“お約束”の居心地のよさ(例えば「男シリーズ」で植木等がC調なこと仕出かすと上司の人見明がぼそっと「ばか」ってつぶやくアレ)が充満している。ジーヴズとウースターのタッグは最強であり、誰もかなわないのだ。主人と従僕、馬鹿と天才なんだけど、お互いが必要としている間柄で、どっちが欠けても物語は成立しない。ほがらかな愚者を支えているのは賢者であるが、その聡明な従者は度量の大きな主人に生かされているのである。  “バカ殿”ウースターが語り手っていうのがミソで、番外で一篇だけジーヴズが語り手のものがあるんだけど、これはいわゆるメイキング、楽屋裏、ネタバレであって本編にはなりえない。ミステリーで言えば常にジーヴズが“鍵”なのだから...  それにしてもウースターとジーヴズの関係もさることながら、ウースターと友人ビンゴの間柄がとってもいい。“くされ縁”ってやつは、実はお互いに依存してないし、遠慮もないし、何ヶ月会わなくても関係に変化がないってことなのだ。こうした稀な友を得られただけで、人生はきっと、それでもうOKなんじゃないだろうか。
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2008年03月24日 06:56 | edit

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ジーヴズの事件簿/P.G.ウッドハウス/文藝春秋(2005.5.30発行)


■カテゴリー:
*2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)
このミステリーがすごい!2006年版(2005年)宝島社
ユーモア・ミステリ
短編集もの
評価: ☆☆☆☆☆

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