ねじまき鳥クロニクル 第二部 予言する鳥編 /村上春樹[村上春樹]
(2005-01-15)


 

「自分はいつか死んでしまうんだとわかっているからこそ、人は自分がここにこうして生きていることの意味について真剣に考えないわけにはいかないんじゃないのかな。いつまでもいつまでも同じようにずるずると生きていけるのなら、誰が生きることについて真剣に考えたりするかしら。・・・たとえ、仮に・・・あったとしても『時間はまだまだたっぷりあるんだ。またいつかそのうちに考えればいいや』ってことになるんじゃないかな」

「自分にとって一番大事なことは何かということ・・・
 それをうまくやるためのコツみたいのはちゃんとあるんだ。そのコツを知らないから、世の中の大抵の人間は間違った決断をすることになる。そして失敗したあとであれこれ愚痴を言ったり、あるいは他人のせいにしたりする。・・・コツというのはね、まずあまり重要じゃないとところから片付けていくことなんだよ。・・・何か大事なことを決めようと思ったときはね、まず最初はどうでもいいっていうようなところから始めた方がいい。誰が見てもわかる、誰が考えてもわかる本当に馬鹿みたいなところから始めるだ。そしてその馬鹿みたいなところにたっぷり時間をかける」


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