2015年5月2日英国ミステリ界を代表する作家・サスペンスの女王ルース・レンデルが亡くなった。
その作家の1996年の長編作品。いわば追悼作品。
最初はロンドンのリージェンツ・パークのガイドブックのように公園が描かれて、ロンドンに行きたくなります。その後物語は四人の人物の立場からそれぞれ語られていきます。
薬物中毒で暴力行為を請け負って金を稼いでいるボブ。
なかなか自分の意思を主張できないアイリーン・アドラー(シャーロック・ホームズが愛した美しきオペラ歌手)博物館の共同経営者のメアリ・ジェイゴ。
富裕層の飼い犬の散歩を仕事にしている老人のビーン。
小出版社の共同経営者で事故により最愛の妻子をなくしホームレスになったローマン。
祖母の友人の屋敷の留守番と犬の世話を引き受け、メアリは3年間同居した強圧的で暴力をふるう恋人から別居する。
彼に隠れて自分の意思で骨髄提供を行った彼女は提供相手に会うことにするが---
メアリの意志の弱さにはイライラしますが、これからどう展開していくのかという期待感で読む人を全く飽きさせません。
時代を感じることも全くありません。
2015年8月10日ハヤカワポケットミステリより発行 原題は「THE KEYS TO THE STREET」