禁忌 TABU/フェルディナント・フォン・シーラッハ/東京創元社(2015.1.9発行)x0[評価: ☆☆☆☆☆]
(2015-10-24)



シーラッハの「コリーニ事件」に続く長編ものの第2作。

ドイツ名家の御曹司ゼバスティアン・フォン・エッシュブルク。彼は万物に人が知覚する以上の色彩を認識し、文字のひとつひとつにも色を感じる共感覚の持ち主だった。ベルリンにアトリエを構え写真家として大成功をおさめるが---

ドイツで出版されたとき評価がまっぷたつに分かれた作品。「二度読んでも理解できなかった」とする書評家も。

この人の作品は、人が罪を犯すのはこんな状況なのか、それを司法制度で裁くことが果たしてできるのか、ということをずっとテーマにしてきたと理解しています。

その点からすれば、この作品は「小説にはまだ上があった」という高い評価の方に賛成いたします。

2015年1月9日東京創元社より発行 原題は「Tabu」(2013)


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