音道さんシリーズ。
人物描写がうまく、ミステリーとしてもなかなか読み応え有り。
読んでいて翻訳の明らかな間違いに気づいたので連絡してみようと思う。
それはさておき、村上春樹の1Q84ではこの作品におけるビッグブラザーの
対比としてのリトル・ピープル、みたいな話もあったので興味本位で読んでみたのだが
むしろ最近まで熱中していたFF13のファルシに生かされる人間、的な流れ
あるいは国家または歴史という生命体は個々の人々の働きだけでは止めようもなく
例えば歴史的に大きな暗殺事件もタイムスリップしてその暗殺者を事前に
殺したとしても別の人間が駒として出てきて止めることが出来ないといった考え方
の源流にあたる作品なのか、と思いながら読んだ。
久しぶりに良い本読んだなあと思う。ほくほくしてしまう。ほほえましい。
京大卒の作者の語彙力と言葉のひねり度がとても良い。舞台は京都の
大学で大学生2人が主人公。派手ではないゆるりとした魅力溢れる女の子と
うだつのあがらない文学青年の先輩、と書くとなんか陳腐な漢字なのだが
話はとてもユニークかつ奇想天外。
古本を売る店の並ぶ街、東京で言うと神田?とか早稲田?の雰囲気、
神楽坂的な雰囲気、その他もろもろおすすめ。
伊坂幸太郎にしてはイマイチ、としか言いようがない。
以前真保裕一のダイスをころがせを途中で投げ出したのだが、
前者は社会的、後者は政治的なテーマをとりあげ作者の意見をちりばめた
小説というのはやはり難しいと思う。
伊坂幸太郎は「かなり良いなあこれ」、
と思う意見をスルリと登場人物に語らせることで
とてもうまく世相を切り取るのだが、
確かに今回もそういうシーンが多く出てくるのだがイマイチ
キレがない。キレがあってこその伊坂幸太郎なのだが。
小説は別の作家の漫画と連動しているようだ。
色々縛りがありすぎたんだろうか。
正義のミカタからああ、この人オリジナリティが確立されたんだな、
と偉そうな読者を気取ったものだが、
既にこの作品WILLには村上春樹的なものはほとんど感じられない。
でもそれで物語がさらに現実寄りになり、
良いんだけどでもものすごく心に訴えかけてくるかというとそうでもない。
軽いミステリー調に変わっている。
しかしこのドライな感じはたぶん世代的になのかあるいは
たぶんこっちの方が正解だけど
MOMENTの時もやはり感じた、自分の感覚にやはり似ているとは思う。
今回は主人公が女性だが、基本的なスタンスは変わらない。
MOMENTの記憶はかなりおぼろげだったので、再読したい。
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