_ 乃南 アサ / 風の墓碑銘 (2010年01月28日)

音道さんシリーズ。
人物描写がうまく、ミステリーとしてもなかなか読み応え有り。

風の墓碑銘
風の墓碑銘
乃南 アサ
¥ 1,995 / 新潮社 (2006-08-30)
在庫あり。

文句なしの素晴らしい作品でした。 私の好きなミステリー作品で、推理をしつつ、あっと言う間に読み終えました。 なんと言っても人物造形がうまい!そして様々に張られた伏線が程よく結びついて行く様は本当に小気味良い感じでスッとしました。 やっぱり乃南アサはうまい!うなってしまいました。
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2010年01月28日 00:13 | E | C (0) | TB | Cat: *評価: ☆☆☆☆ , [J]ミステリー
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_ ジョージ・オーウェル / 一九八四年[新訳版] (2010年01月18日)

読んでいて翻訳の明らかな間違いに気づいたので連絡してみようと思う。
それはさておき、村上春樹の1Q84ではこの作品におけるビッグブラザーの
対比としてのリトル・ピープル、みたいな話もあったので興味本位で読んでみたのだが
むしろ最近まで熱中していたFF13のファルシに生かされる人間、的な流れ
あるいは国家または歴史という生命体は個々の人々の働きだけでは止めようもなく
例えば歴史的に大きな暗殺事件もタイムスリップしてその暗殺者を事前に
殺したとしても別の人間が駒として出てきて止めることが出来ないといった考え方
の源流にあたる作品なのか、と思いながら読んだ。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)
¥ 903 / 早川書房 (2009-07-18)
在庫あり。

「ニュースピーク」と呼ばれる「新言語」がたくさん使われる。 しかし以下の3つの言葉を読む前に理解してれば大体大丈夫だと思われる。 ・「オセアニア」=物語の舞台になる第三次世界大戦後の全体主義大国(イギリス、アメリカ、南米などを含む) ・「プロール」=プロレタリア(労働者)階級の人々 ・「二重思考」=物語のキーポイントとなる概念。注意して読むべし。 あとこの作品は「文学的な作品」だと勝手に勘違いしてたんですが、どちらかと言うと「大衆小説」に近い印象を受けた。(ジャンルはSF小説と言う事になるらしい。) 内容は全体主義国家「オセアニア」を統括する「ビックブラザー」を打倒するために主人公が立ち上がり、そして運命を共にする仲間と出会う・・・、そういう話。 はっきり言って内容は非常に重たい。終盤は残酷なシーンも出てくる。 暖かい午後にポカポカと心地よい読書をしたいの。って人には全く向いてない 読み終わったあとには非常に重苦しい気持ちとなるでしょう。 (中盤は綺麗な描写やドキドキする展開でほのぼのしてる部分もあるのだけど) あと「全体主義」「社会主義」「粛清」「スターリン(笑)、毛沢東(笑)」とかを全く知らないって人は難しいかもしれないが、ストーリーが明確だし、何より物語の中で出てくる「スローガン」にかなりインパクトがあるので、比較するものでもないが村上氏の1Q84よりも読みやすいのでは、と思う。 内容は重たいので覚悟して読まなくてはいけない。
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2010年01月18日 10:00 | E | C (0) | TB | Cat: *評価: ☆☆☆ , [J]フィクション
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_ 森見 登美彦 / 夜は短し歩けよ乙女 (2010年01月18日)

久しぶりに良い本読んだなあと思う。ほくほくしてしまう。ほほえましい。
京大卒の作者の語彙力と言葉のひねり度がとても良い。舞台は京都の
大学で大学生2人が主人公。派手ではないゆるりとした魅力溢れる女の子と
うだつのあがらない文学青年の先輩、と書くとなんか陳腐な漢字なのだが
話はとてもユニークかつ奇想天外。
古本を売る店の並ぶ街、東京で言うと神田?とか早稲田?の雰囲気、
神楽坂的な雰囲気、その他もろもろおすすめ。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
¥ 580 / 角川グループパブリッシング (2008-12-25)
在庫あり。

 この小説の特徴は個性の強い登場人物と突飛な日常という点です。同じような小説が数多くある中で、私がこの小説を楽しめたのは主人公「先輩」とヒロイン「彼女」の語り口にあると思います。物語はこの2人の文語調チックな語り口で進むのですが、折々に思わずニヤけるフレーズがあり、どんどんと読み進めたくなります。  また、各章にてキーワードがあり、とんでもエピソードの中に上手く盛り込まれ、ただのキャラクター小説にとどまらない話の上手さがあります。  ほんわかした温かさ、にやりとするおもしろさ、「彼女」の行過ぎた純粋さが醸す魅力、恋に対する「先輩」の懊悩への情けない共感など色々な読後感を楽しめた小説です。  登場人物が賑やかな小説が苦手な人にもお勧めしたいです。興味があれば一読してみて下さい。
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2010年01月18日 00:17 | E | C (0) | TB | Cat: *評価: ☆☆☆☆ , [J]フィクション
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_sos 伊坂 幸太郎 / SOSの猿 (2010年01月07日)

伊坂幸太郎にしてはイマイチ、としか言いようがない。
以前真保裕一のダイスをころがせを途中で投げ出したのだが、
前者は社会的、後者は政治的なテーマをとりあげ作者の意見をちりばめた
小説というのはやはり難しいと思う。

伊坂幸太郎は「かなり良いなあこれ」、
と思う意見をスルリと登場人物に語らせることで
とてもうまく世相を切り取るのだが、
確かに今回もそういうシーンが多く出てくるのだがイマイチ
キレがない。キレがあってこその伊坂幸太郎なのだが。

小説は別の作家の漫画と連動しているようだ。
色々縛りがありすぎたんだろうか。

SOSの猿
SOSの猿
伊坂 幸太郎
¥ 1,575 / 中央公論新社 (2009-11-26)
在庫あり。

初めて読んだ伊坂作品はアヒルと鴨のコインロッカー あれから数年 これほど個性と面白さをバランスよく取り入れている作家はいないかもしれない 西遊記をモチーフにしながら話を進めていく「SOSの猿」 伊坂作品を読んだことがある人なら分かると思うけど 文章のひとつひとつに意味があり 何気ない描写が後で重要な要素になり それが分かった時の感動・・・ただ読むだけではないのが伊坂幸太郎である もしこの作品を読んで面白いと感じたらぜひとも他もお試しあれ 必ずはまります!!!
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2010年01月07日 01:03 | E | C (0) | TB | Cat: *評価: ☆☆☆ , [J]フィクション , [S]#作家別 , [S]伊坂 幸太郎
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_will 本多 孝好 / WILL (2010年01月07日)

正義のミカタからああ、この人オリジナリティが確立されたんだな、
と偉そうな読者を気取ったものだが、
既にこの作品WILLには村上春樹的なものはほとんど感じられない。

でもそれで物語がさらに現実寄りになり、
良いんだけどでもものすごく心に訴えかけてくるかというとそうでもない。
軽いミステリー調に変わっている。

しかしこのドライな感じはたぶん世代的になのかあるいは
たぶんこっちの方が正解だけど
MOMENTの時もやはり感じた、自分の感覚にやはり似ているとは思う。
今回は主人公が女性だが、基本的なスタンスは変わらない。

MOMENTの記憶はかなりおぼろげだったので、再読したい。

WILL
WILL
本多 孝好
¥ 1,680 / 集英社 (2009-10-05)
在庫あり。

 店頭で見つけた瞬間レジに持っていきました。7年待ってたよ。前作の主人公は神田だったが、今回は森野と、葬儀屋の人々である。森野についてあまりはっきりした印象はなく、つかみどころが分かりづらかったのだが、森野の一人称を基本として薦められていく本書では、森野のことが分かりすぎるくらいだ。  本作では森野がどんどんこっち側の普通の人間に思えてきて、本作では大学を卒業しアメリカに行ってしまった神田がむしろ遠い存在に思えるのは、前作と視点を真っ向から変えたことで得られる感覚だろう。単純に続きのお話を、そのストーリーとしての魅力もさることながら視点を変えることで心の動きを鮮明に表現することが出来ているし、前作を読んだファンの楽しみを満たすには十分だ。前作からの7年という時間も、子どもの部分が残っていた時代から、大人として地に足を着けて歩んでいるという、たしかな成長を感じられる。大人になって変わる部分変わらない部分を堪能できるのは単純にファンとして楽しい。単純な続編というだけでなく、時間をきっちり区切っていること、語り部を変えるだけでここまで楽しめるのかと思う。むしろ別物と思って読んだ方が自然なのだな、と思えるから面白い。  大きなポイントだと思っているのは、前作は死を前提にした心の動きを書いたものであったと思うが、本作は経験した死とどう向き合うか、である。どちらも人が生きていく上で経験していくことであるし、経験から得られる心の動きもまた異なる。「爪痕」にそれが顕著だろう。人の死が招くものは、故人の遺産のようなものかもしれない。誰もが現実を受け入れられるほど、人の死という事実は重くないということなのか。取り返しのつかない事態ということもだが、何より故人の思いとは離れたところに残された人の思いがあるということだろう。  7年間という時間、遠くにある神田の存在。それらの要素もさることながら、というかそれがないと本当の意味での醍醐味はないが、森野の葬儀屋の社員である竹井と桑田の存在がいい。竹井はどっしりとした、桑田は言ってしまえば雑な存在であるが、彼らが森野を日常的に一人にさせていないのである。非日常な存在になってしまった神田、そして7年間かけて手に入れた日常。本作は森野の人生の一部を垣間見るような感覚で読むことができた。その一部が森野にとっては大切な日々なのだろうと、思いをはせつつ。タイトルの意味もなるほどね。
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2010年01月07日 00:53 | E | C (0) | TB | Cat: *評価: ☆☆☆☆ , [J]フィクション , [S]#作家別 , [S]本多孝好
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