数年前にplaymountainで展示していた足のついている石、
これもやはり石そのものを削ってつくり出していた。
今回の展示も木を削りだしてつくった鉛筆と、
煉瓦を削って作った家と、
葉っぱを削ってつくった木と、
段ボールを切ってつくった箱。
それに加えて1本の針金から曲げてつくったハンガーとか。
素材を再加工するのだが、
素材そのものの素材感が全く消えていないので
一瞬それが加工されていないような気になってくる自然な
不自然さ。
Gunkan crossingで展示されていたmuteのsojiシリーズを見てきた。
実際に手にしてみると本当に軽いし、肌さわりが良い。
muteを立ち上げた一人、小学校の同級生のUminoくんは
体調不良ということでおらず、Itoさんが話してくれた。
石川県の山中漆器のメーカーである卯之松堂によるモノ。
「漆器というと若い人にちょっと抵抗感があるが、漆を塗る前の
本来の素材の良さを出し、簡単に使ってもらえるように」
というようなイメージ。
器は無垢から職人によって削り出される。
クリアのウレタン塗装で仕上げられており、
少し色の濃いものには色づけされているという。
食洗機は使えないが普段使いを目的として
複数のラインナップが用意されている。
卯之松堂のページを見ていると
無垢からの ろくろ による削りだしの工程後、
漆塗りの工程がかなり手の込んだものだとわかる。
値段はまだ公開されていないようだが、
例えばお味噌汁茶碗くらいの大きさだったら
朱塗りの漆器が4000円している事と、
工程減・漆というかなり高価な材料減で
半額以下の2000円くらいになるだろうか。
もうちょっと安くなってくれて1000円切ると
馬鹿みたいに売れそうだが、
この工程を見るとちょっと採算が合わなそうだ。
どうだろう。
プラスチックだったら15円もしない
と言うところだが、ここらへんのコスト感覚って
大量生産の工業製品とだいぶ異なる。
実際この質感は大量生産では生まれないか、
と言われれば、正直に言って削りの部分
全て機械でも行けると思う。
最後の磨きは手かもしれないが、
そこもやろうと思えばある程度可能だとも思える。
こういった事を試していて、なおかつ
初期投資が薄まるレベルの量が販売できると
考えていれば、あるいは1000円切る
商品として生まれそうな予感はある。
ぱっと見で欲しいと思える品物って最近あまり目にしていないが
これはかなり欲しい。
来月?に池袋の東武で展示も行うようだ。
ちなみに卯之松堂のロゴもmuteによるもののようだ。